こんにちは
今日はコンピュータ関連から離れてスーパーカブについて触れていきます。
スーパーカブ 50でよく言われるのがローギアすぎてしんどいということでしょう。
私もその手の人間で、30kmでも結構回転が上がり気味になるのでエンジンブレーキがかかりすぎたりとちょっと乗り心地に違和感を感じていました。
今回はチェーン調整と合わせてスプロケットの換装を行い、速度と回転数の調整を行います。
はじめに
今回はスプロケットの調整により足回りを変更します。
工学系知識に乏しいのでかなり曖昧で適当な場面が出てくるので参考にされる方は自己責任の上でお願い致します。
特に足回りは最悪事故に直結する部分でもあるため、本来は専門家と相談して行うべき内容です。
また、今回は最高速を上げるチューンですが、あくまで30km時の巡航を快適にする目的で換えるだけです。
本来スーパーカブ50は一種登録の原動機付自転車ですので基本的に法定速度は30kmです。
ボアアップなどにより二種登録をされていない方はお気をつけください。
いつもの乗り方では油断すると普通に法定速度を超えます。
追記 スーパーカブの年式等
アクセス数が増えてきたようなので一応スーパーカブの年式を記載しておきます。
C50SY AA01型丸目の旧式です。
最新型で検索かけてきた方がいらっしゃるようなので追記しておきます。
また、現在はボアアップして減速比変えてしまいました。
ボアアップ後のスプロケットについて書きました。 → スーパーカブ 75ccにドライブスプロケット16Tを入れてみた
用意した工具たち
- ソケットレンチあるいはスパナ (8mm, 10mm, 19mm x 2, 23mm)
以上が今回用意した工具ですが、実際はトルクレンチと整備マニュアルを用意しておいたほうが良さそうです。
今回感覚でやりましたが、規定トルクがあるのでそれに従わないとまずいかもしれません。
スプロケット選び
スーパーカブは無段変速機ではなく、マニュアル式のオートバイと同じ仕組で、減速比を調整することで回転数と速度の対応を変更することができます。
基本的にドライブスプロケット(フロント側)とドリブンスプロケット(リア側)の何れかあるいは両方を変更します。
今回はリアタイヤを外すのがめんどくさいのでドライブスプロケットで対応します。
次に問題になるのがチェーンのリンク数です。
スーパーカブ 50のチェーンは98リンク(現行型は不明)ですが、スプロケットの丁数によれば足りなくなります。
これについてはD.I.D様のチェーンリンク計算表*1を用いて予め計算しておきましょう。
スーパーカブ 50は420サイズのチェーンにF13TとR40Tのスプロケットですのでそれで計算するとある程度の予想が立てられます。
今回はR40TでF14TとF15Tを試してみました。
この組み合わせだと98.5リンクと99リンクでチェーンの伸びと合わせてギリギリ足ります。
ある程度の予想ができたらあとはスプロケットを選ぶだけです。
ただ加速と巡航性能を上げるのであればF14Tでただ巡航性能を上げるのであればF15Tでしょうか。
基本的にスプロケットはドライブスプロケットの場合丁数を増やすと最高速が伸び、加速が縮みます。
逆にドリブンスプロケットの丁数を増やすと最高速が縮んで加速が伸びます。
速度の対応表については ギア比計算ツール*2などがあるため参考にさせていただきましょう。
なお、理論値は抵抗などの関係で必ず出るわけではないのでご注意ください。
私はKITACOのドライブスプロケット 14T(Amazon)と15T(Amazon)を選びました。
スプロケット交換
スプロケットの丁数マシはスプロケットを入れ替えるだけではうまく行きません。
そもそもスプロケットを入れ替えることすらできないと思います。
ですので単に交換するだけではなく、チェーンの調整も同時にする必要があります。
少々面倒ですが、実際に交換していきましょう。
画像が若干見にくい点はご了承ください。
まずはシフトペダルを外します。
シフトペダルは軸の横に10mmボルトで止められているのでこれを外すと外れます。
ただ、ボルトが外れてもスッと外れないのでガコガコ動かしながら外します。
なお、この時に1速に入れておくと後の作業が楽になります。
次に工具入れを外します。
今回写真撮ってませんが、座席の左下にある膨らみのことで、マイナスドライバーか十円玉で回すと外せます。
次にスプロケットカバーを外します。
スプロケットカバーはこの3点を8mmボルトで止められています。
若干狭いので入りにくいですが、気合で外します。
それぞれ長さが違うので忘れないようにしましょう。
ただ、私の場合は1本ナメてしまって交換してあるので10mmになってます。
スプロケットカバーを外すとスプロケットが見えるのでそれを外します。
画像では既に外されていますが、青丸の(確か10mm)ボルトを外して留め具を外すとちょっと硬いですが外れます。
ただ、この時ブレーキを踏むかギアを入れておかないと空転して外しづらいです。
なお、この時にチェーンケースを外すとチェーン調整がやりやすいです。
この時点でスプロケットが入れば良いですが、殆どの場合で入らないのでチェーンを緩めます。
ここが少々面倒なポイントで、アクスルナットとスリーブナットには規定トルクがあるので緩めた回転数や力加減を覚えておいてください。
トルクレンチと規定トルクが分かる場合は普通に緩めましょう。
また、本来はかなり回りやすいナット(めちゃくちゃ硬く、回しづらいナットです)なのですが、あまり回さないところなので場合によっては固着して全く回らない事があります。
その場合はインパクトレンチなどがあるとかなりやりやすくなると思います。
真似しないほうがいいですが、私は舐めないように気をつけながら足で蹴りました。
ではアクスルナットとスリーブナットを緩めます。
アクスルナットは手前の19mmナットで、ソケットレンチでささっと緩めます。
また、アクスルナットだけだと空転するので、これと同時に反対側も緩めます。
確か反対側は10mmだったような・・・。
次にスリーブナットを緩めます。スリーブナットは奥の23mmナットです。
次にチェーン調整のナットを両方緩めます。
15Tのときはギリギリだったので完全に外しましたが、14Tだと余裕持って緩めるだけで良いと思います。
次に、タイヤが前後に動く状態になるとタイヤを思いっきり前に動かします。
これでチェーンに余裕ができるのでスプロケットを装着し、ボルトで止めます。
あとは逆順に戻していくだけです。
チェーンの張りを調整してからチェーン調整のナットを締め、アクスルナットとスリーブナットを締めます。
ただし、このあたりのナットはさほどきつく締められていないようなのでキッツキツにはしないように気をつけましょう。(バイク屋に緩すぎだと怒られたのでトルクレンチで締めたほうがいいです)結構ナメる方が多いらしい。(トルクレンチがないのでかなり曖昧です)
追記ですが、アクスルナットが59Nm, スリーブナットが44Nmのようです。
あとはスプロケットカバーを閉じてシフトペダルを付けると終わりです。
追加で確認しておく点としてはリアのブレーキ調整があります。
写真のナットを回すことで調整できます。手でも回せるくらい緩いです
今回思いっきりタイヤを移動させるのでブレーキ位置が変わってる可能性があり、最悪効かないかもしれないので必ず確認しておきましょう。
各スプロケット丁数の感想
実際にF14TとF15Tを取り付けて走ってみましたが、F13Tと違ってかなり違いが有ります。
どちらを取り付けるか迷ってる方の参考になればと思います。
まず14Tです。
14Tは理論値上だと以下のような対応ができます。
最速が60km出るようになる調整です。
実際にコースで走ってみるとかなりきついですが、63kmまで出すことができました。
公道では若干40kmよりの調整で、30kmの巡航性能が若干上がります。
今までの回転数よりも500rpmほど下がり、非常に走りやすいです。
信号が少ない地域だと燃費も上がりそうですが、ストップアンドゴーが多い都会だとパワー不足でちょっときついかもしれません。
次に15Tです。
15Tは理論値上だと以下のように気合で70km出せる調整です。
こちらも最速チャレンジしてみましたが、風の抵抗とエンジンパワーの限界で60kmまでしか出ませんでした。
14Tよりも出なかったのでエンジンパワーの限界なんでしょうね。
公道では完全に40km巡航調整です。
30kmでは回転数が低すぎて逆に乗りにくさを感じ、気がついたら40km近く出てしまっているので原付一種には合わない調整でしょう。
そもそも2速がF13Tの3速と結構近くなっているのでかなりハイギアです。
ストップアンドゴーが多い地域や坂が多い地域だとフルスロットル区間が増えて燃費もかなり落ちるでしょうね。
さいごに
結局30km制限のある50ccでは純正のF13Tがちょうどいいのかもしれません。
何か事情があって上げるにしてもF14Tが限界な気がします。
換装が面倒で今もF15Tにしていますが、回転数が低すぎて普通に乗りにくいです。
ただ、メータの変速目印と同じところまで難なく引っ張れるようになったのは面白かったですね。
それぐらいしか50ccのF15Tは利点ありません。
参考
*1 チェーンリンク計算表 | DID, http://didmc.com/chain/chainlink/
*2 自動車/バイク ギア比計算ツール, http://dirtjapan.com/modules/pico/content0002.html